イップス(yips)の外し方/RCMethod

クライアントさんたちのイップスを外せた経験から、原因とイップスを外すためにどうすれば良いか、書いていきます。即効性を求めるなら、カウンセリングをお申込みください。

イップスのトリガー 2、失敗と敗北

昨日(2019/1/13)

柔道全日本男子監督の井上康生さんの講演を聞いてきました。

直接質問する機会があり、柔道でメンタル面から制限がかかってしまうことがあるかどうかについてお聞きすることができました。貴重!

予想通り、考える時間はない競技なので、ゲシュタルト崩壊からのイップスというのはなさそうでしたが、負けからの立ち上がりというのは多くの選手が課題とするところだそうです。これは想像に難くないですね。柔道に限らないと思います。今回は、このことを取り上げます。

 

同じ結果への拒否

 

野球で投げた球が選手に当たり、怪我をさせてしまった。

演奏中に頭が真っ白になり、止まってしまった。

サッカーで、自分のミスから点を取られてしまい、そのまま負けてしまった。

スポーツで負ける、というのは、残りやすいですね。

これは勝ち目がない、試合できただけでも光栄だ。あるいは、ベストを尽くせたが、相手の方が上だった。なんていう、清々しい負けは、さらに次回に向けてがんばる原動力にできるでしょう。

しかし、負けたら批判される、背負うものがある、負けられないのだ!という試合で負けるのは、残りやすいです。

 

二度とこんなことがあってはいけない。

またこんなことがあったらどうしよう。

 

そう思ってしまうような失敗や敗北は、残りやすいのです。

これは、心が失敗や敗北を拒否しているからです。

以前失敗したり敗北したりしたのと同じあるいは似たシチュエーションになると、やらかした瞬間のことがフラッシュバックします。失敗したときのイメージが先行し、動きが一瞬遅れたり、緊張が強まったりすることで、パフォーマンスが落ちます。

ではなぜ、拒否がパフォーマンスを落とすのでしょうか。

 

拒否 = 思考停止

 

これから起きることのある結果を拒否して、そのために行動する、というのは問題ありません。しかし、起きてしまった結果を拒否すると、芋ずる式に不調を招いていきます。

例えば、事故を起こさないように安全確認をしっかりすることは、事故を起こすことへの拒否です。しかし、安全確認を怠り、自分の反応速度を超えたスピードを出して事故を起こしてしまったのに、事故が起きたという事実を拒否する、ということはよくあります。あそこで車が出て来なければ事故が起きなかったのに、なんて責任転嫁をしたりします。見苦しいですが、よくあります。そういう人は、事故を繰り返します。この辺りは承認欲求との絡みもあり、整理に技術を要する心理です。複雑にしないために、今回はそこには触れません。

拒否がパフォーマンスを落とす理由。それは、そのときで時間が止まっているからです。

 

そうならなければ良かったのに。

いやだ。その結果を受け取りたくない。

 

無意識に脳は時間を巻き戻し、なかったことにしようとします。結果を受け取らないとどうなるでしょうか。同じことが起きないように対策を練ることができないのです。だってそれはなかったことだから。そして、同じシチュエーションになると、ひたすら拒否反応を起こすのです。

 

まず、それが起きたことを認める必要があります。イヤだけど。

それが簡単ではありません。大抵の場合、認めるわけにはいかない理由が無意識に紐づいています。それについても追って記事を書いていきましょうね。簡単ではないのですよ。学ばなくてもカウンセリングを受けてもらうとサクッといけるんですけどね。あ、ついでに書いておきますが、この先更新されていくものを読んで、いくら仕組みと理由が分かっても、実際に扱えるようになる人はほとんどいませんから。体内になぜ腫瘍ができるのか、それをどのように取り除くのか、いくら勉強しても、メスを持って手術できるようにはならないでしょう。それと同じことです。プロに任せるのが早いですよ。とはいえ、原因と何をするべきなのかを知っているのと知らないのでは大違いです。どちらかというと、私はこのブログを、手術台で暴れられないように心の準備をしてもらうために書いています。

 

それました。

 

振り返ってみて、その出来事を直視できない場合は、それ以上自分でどうにかしようとせずに、プロに頼ってください。直視できない状態とは、具体的には、軽くパニックを起こしたり、フラッシュバックばかりで気持ちが落ち着かなかったり、バカバカ!と思わず自分を責めたくなる状態です。直視できる人の方が少ないです。無理するとこじらせますから気をつけて。

 

失敗/敗北を直視できたら

 

冷静に直視できたなら、起きてしまった失敗/敗北から、課題を抽出します。どうすれば勝てたか。どうすればうまくいっただろうか。具体的に考えます。では、それは気をつければすぐにできることでしょうか。それとも、練習を積む必要があることでしょうか。両方あるかもしれませんね。

するべきことがわかったら、実際に取り組みます。

練習が足りなかったせいだ!1日の練習量を増やせ!うおおおおお!

なんていうのは、失敗を直視できていませんのでプロに頼れ。

例えば、右脚に比べて左脚が弱いので、左足に体重が乗った時にバランスを崩しやすい。左脚を鍛えると同時に、バランスを崩したところから持ち直すためにどういう練習メニューを組もうかな、くらい考えて。そして考えたメニューをこなしていきます。それができれば、同じ失敗を繰り返す可能性をぐっと下げることができます。

これができる状態は、時間が進んでいます。改善に向けて行動できているからです。

 

もうひとつ、大事なことがあります。

 

失敗/敗北した自分をゆるす

 

ゆるし ≠ 許可

また失敗しても良いと自分を許可するのとは違います。それはもう過去のことで、変えることはできないので、自分を責めるのをやめるということです。

実は、自分を責めているうちは、変化できません。やってしまったことを思い出すほど、再犯率は上がります。あまり知られていない事実。指導する人にも気をつけていただきたいことです。その辺りの細かい心理については、セミナーやもうひとつのブログで学んでください。

https://ameblo.jp/kamisamanorule/

 

いずれにしろ、これまで挙げた「処置」を自分でするのはとても難しいということはお伝えしておきます。

自分で乗り越えろ的根性論よりは、メンタルはプロに任せて、自分の専門を伸ばすことにエネルギーと時間を使うことを支持します。

 

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