イップス(yips)の外し方/RCMethod

クライアントさんたちのイップスを外せた経験から、原因とイップスを外すためにどうすれば良いか、書いていきます。即効性を求めるなら、カウンセリングをお申込みください。

イップスに苦しんでいる間に筋肉が衰える

イップスに苦しんでいる方のお話しを伺うと、年単位で苦しんでいらっしゃいます。長い方になれば10年以上、症状に悩まされてらして。ああ、つらいだろうな、早く出会えればよかったのに。なんて思いますが、私がトラウマを外せるようになってまだ3年半なのでゴメン。

トラウマはもう何百件と外してきていますが、イップスはまだ数件です。いくつかの例を見させていただき、トラウマとイップスの違いは、筋肉の関わりかな、と思っています。

トラウマは、フラッシュバックや不眠、震えなどの症状が見られますが、トラウマを外してしまえば日常生活に戻ることができます。硬く緊張していた身体がゆるみ、ぐっすり眠れるようになったり、穏やかな気持ちで過ごせるようになります。イップスは、上手に動かせなくなった身体に、動け、動け、と命令を出し続け、上手に動かせていた頃の動きを忘れてしまうようです。

音楽では、1日練習しなければ後退を取り戻すのに3日かかるなんて言われた時代もあります。今はそうでもないというデータが出ていますけど。とにかく、思い通りに動かない時間が長引くほど、筋肉が衰えてしまうのです。

ここからはトレーナーの目線からの話しになりますが、人間の身体はとても繊細です。筋肉の伸長収縮によって身体を動かすのですが、筋肉単位でなく、筋肉の前部繊維とか、細かな使い分けのコントロールをしています。ただでさえ何層にもなってたくさんある筋肉を、連携させながら場合によってはひとつの筋肉の部分も使い分けながら、動きを作っているのです。能力が高くなるほど、筋出力が大きいだけでなく、細かなコントロールも加わってきます。その繊細な連携が崩れたら。取り戻すのが容易でないことは想像に難くないですね。

つまりイップスは、トラウマ+身体コントロールの喪失なのです。

練習では上手くできるのに、本番になると上手くいかない、という場合は、トラウマを外すだけで本番で改善が見られるというケースを何件か見ています。

練習でも上手くできない状態が長く続くと、まずトラウマを外し、身体へのロックを外してから、動きを取り戻す訓練が必要になります。ある音楽家の方は、カウンセリングでトラウマを外して、指の動きが良くなりました。1カ月後お会いしたときは、トラウマを外して少し良くなった状態から、あまり改善していませんでした。お身体を見せていただくと、首と肩の2カ所で関節の噛み合わせが悪くなっていました。関節の噛み合わせを直すと、指の動きが即座に改善しました。がっかりと肩を落としたポーズは、首と肩がズレます。上手くいかなくて落ち込むと、ご自分の身体をさらに悪い方へ追い込むのでお気をつけくださいね。この方は心の状態の次に身体の状態も直したのでこれから指の筋肉をもっと繊細に取り戻し、スピードも戻していけると思います。ただし、一度クセになると戻すのに時間はかかりますよ。

距離が離れていて、お身体を見れない場合は、初心に帰って一から練習を積み重ねることをお勧めしています。イップスになる前の動きを獲得するまでの過程をもう一度なぞるのです。焦らないで時間をかけて取り戻してほしいと思います。

ちなみに私が提供しているエクササイズは、ご自分の筋肉の動きを感じて確認してもらいながら行いますので、闇雲に運動するよりも感覚が育ち、有効だと思いますよ。どこの筋肉がどう収縮しているのか、どう伸びるのか、少し細かく感じてもらいます。ご自分の身体を細かく感じながら動きを確認する習慣は、つけておくと良いと思います。

もうひとつ。

順番を間違えないでいただきたいと思います。動かしていくうちにトラウマが外れる、というのは、絶対うまくいかないとは言いませんが、リスクが高いです。トラウマは、動きにロックをかけます。ロックを感じるから、思いっきり動かしてみたりしますよね。暴れたら自分を縛っているロープがゆるむのではないか。そう思うのは自然です。でも、間違い。それは、積み上げてきた筋肉のコントロールを忘れさせる第一歩です。先にメンタルのロックを外す必要があります。なるべく早い段階で。ロックを外してから、細やかにコントロールを取り戻す練習を。この順番は守ってくださいね。

 

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