一発逆転を狙うとイップスは悪化する
メンタルから制限がかかって、パフォーマンスダウンしている何名かのお話しを伺って、共通する心理を発見しました。
「今までの不調を帳消しにするくらいすばらしいプレーをしたい。」
という願望です。つまり一発逆転を狙っています。
例えば今まで3年間不調だったとしたら、その3年分を1回の試合や演奏会で帳消しにしてしまいたいということです。文章で読むと、ずいぶん自分に無茶振りするなぁと思うことでしょう。しかし、本人たちは認識せずに、無意識のうちにそんな多大なプレッシャーを自分にかけています。
3年分の不調を背負い続けて、早く降ろしたい気持ちはわかります。1回で挽回したくなる気持ちも。
しかしそれは、挽回しなくても降ろすことが可能なんですよ。
もう一度言います。
挽回しなくても、降ろすことが可能です。
ケガをして手術をしたとしたら、退院してからリハビリが始まって、徐々に元通りになるように訓練していきますよね。
メンタルも同じです。
本番で、大丈夫になってきていることを確認して積み重ねていくことが大事です。
ケガが治ることと、ケガをする前のプレーに戻ることは別ですよね。心の傷も同じで、傷が治ることと、そのきっかけになった出来事の前のプレーを取り戻すことは別のことです。
そしてそれより大事なことは、うまくいかなかったマイナス分を、良いプレーのプラスで打ち消すという、プラスマイナスの評価をやめる必要があるということです。挽回という価値観は必要ありません。マイナスを帳消しにしなければ、挽回しなければという考え方は、不調の間ずっとマイナスを溜め続けます。借金が膨れ上がるように、どんどんプレッシャーが増していきます。借金を返すような感覚でいると、良いプレーを楽しめません。ああ、少し借金が減った。でもまだまだある。そんな焦りばかりが募ります。
では、どう考えれば良いでしょうか。
見に来てくれるお客さんがあなたに期待していることは何ですか。うまくいかなくても応援し続けてくれるのは、うまくいったからじゃないことははっきりしていますね。ではどうしてなのでしょう。その理由にあなたのプレーの価値が隠れているのではないでしょうか。
ファンや周りの方々の励ましの言葉は聞こえますか。
プラスマイナスの評価ではなく、あなたらしさの方が大事ということです。
ケアをして、リハビリをして、取り戻したいのは、あなたらしさです。
もしかしたら、一発逆転したいのは、あなたの存在価値かもしれません。プレー自体の失敗やうまくいかなかったことでなく、あなた自身の存在価値を取り戻したいのかもしれません。
頭を整理して、一緒くたになっているものを切り分け、いらないものを捨てましょう。余計なものに、あなたのプレーの邪魔をさせないように。
カウンセリングをそのように利用してください。
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