ゲシュタルト崩壊を起こさないためにできること その1
ゲシュタルト崩壊とは、漢字を書いている時などに、急に「あれ?こんな字だったっけ?」と分からなくなり、書けなくなってしまう現象を言います。野球で球を投げる瞬間に、あれ?体のどこに力を入れていたっけ?ボールってこんな風に持っていたっけ?右足重心だっけ?あれ?逆?というように、急に今まで無意識にやっていたことが気になり始め、訳が分からなくなる状態です。私も楽器を演奏していた頃、時々なりました。アンブシュア(唇周りの形)が急に分からなくなったりしたものです。
さて、イチロー元選手が、バッターボックスに入る時、毎回同じ動作で入っていたのはよく知られていますね。それは、このゲシュタルト崩壊を防ぐためだったのだろうなと私は考えています。
つまり、全ての動作を意識して「自分はこう動かすのだ」という型を作り、身体の隅々まで意識を張り巡らせることで、ゲシュタルト崩壊が起きない状態を作っていたのだと思うのです。生半可なことじゃないなと思います。(すき)
ゲシュタルト崩壊を起こさないためにできること:答えその1
練習の時に、無意識に身体が動いてくれるに任せている部分を、ひとつひとつ確認して意識下に置き、認識して自分で支配することです。それは思うより範囲が広くかつ細かいです。いきなり全身やろうとはせず、自分にとって大事な部分から徐々に広げると良いと思います。例えば私はフルートを吹きますが、指一本一本の力の入り具合の確認→手首の角度と指の関節の曲がり方の関係→ひじの角度→肩甲上腕関節と肩甲骨(肩周り)がちゃんと分離安定できているか→肋骨のバランス→体幹→骨盤…と広げる感じです。多分指の感覚だけで1週間はかかると思います。これは、「自分が何をしているか」を認識するだけですよ。改善しようとしたら連携が崩れるからやっちゃダメ。改善するなら順番が逆です。骨盤→股関節→肋骨→肩甲帯以下略。土台から変えなきゃ。
実は私がやっている美音トレーニングでは、土台となる骨格をガツンと整えることで、「あれ?なんでこんなに指が回るの?(回る=速く動くこと)」という状態を作ります。良くなったものを細かに認識するのがベスト。
細かく感じようとすると、連携が分からなくなる人がいます。そこからもゲシュタルト崩壊を引き起こすので、自分ひとりで感じようとするのは危険。機能解剖学に強いトレーナーと一緒に、まずは自分の身体の筋肉や骨の動きの感じ方の練習からした方が良いと思います。先生にガイドなしに感じることを要求されて楽器を吹けなくなった子を知っています。
人間は思うより無意識に任せて身体を動かしているものですが、プロとして、結果に責任を負わなければならなくなるほど認識の支配下に置く範囲が広い方が良いだろうなと思います。
コレはフィジカル。
次回はゲシュタルト崩壊を起こさないためにできること:答えその2で、メンタルを取り上げますね。
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