イップス(yips)の外し方/RCMethod

クライアントさんたちのイップスを外せた経験から、原因とイップスを外すためにどうすれば良いか、書いていきます。即効性を求めるなら、カウンセリングをお申込みください。

イップスのトリガー 4、評判/評価

前回から少し時間が空いてしまいました。

イップスの分野はまだ事業としては卵で、このブログや音楽家の方との関わりを通して温めている最中です。

FBや元々やっていたブログ、私との繋がりから読んでくださっている方はご存知のところですが、私は現在、いくつもの分野で仕事をしています。

心理についてのセミナーや講演、後進を育てる養成講座は、カウンセラーを養成する講座とさらにその先の企業様相手に仕事ができるための技術を学ぶリコンストラクター養成講座を開催しています。資料から全部自分で作るので、一度できてしまえば、マイナーチェンジで済みますが、いつも新しいものを作っている気がします。個人様へのカウンセリング、企業様への組織マネジメントカウンセリングも行っております。

パーソナルトレーナーとしては、骨格ボディメイクという、関節保持筋にアプローチをして機能美を提供する内容と、音楽家向けの音色改善に特化したプログラムを構築しながら提供することをしています。元にしている機能解剖学の知識は同じですが、音楽家としての特殊な使い方を理解した上で提供できるのが強みです。思ったより、腱鞘炎や膝痛や腰痛など痛みを訴える方もいらして、結果痛み改善もやっている感じになっております。(一応病院に行って、身体を動かして良いか許可は取ってね)

そんなわけで、イップスについても徐々に広げたいのですが、小さなすき間にねじ込んで徐々に広げている状態ですのでそこんとこよろしく。

 

さて、今日のテーマはイップスのトリガー4、評判/評価です。

 

評判/評価に縛られてしまう

 

楽家の世界ですと、師事する先生がいらして、その先生の元にレッスンに通いますよね。スポーツだと、監督やコーチといった立場の人に当たるでしょうか。その先生に

「お前は◯◯◯だな」

と言われた言葉に縛られてしまうということが起きます。

例えば

お前の音は汚いな

お前の演奏は表情に乏しいな

お前は反応が遅い

お前はこういうときにいつもミスをする

などなど

それはもうたくさんありますが、これらの言葉を

「私って◯◯◯なんだ」

と受け取ってしまい、あたかももう変えることができないかのように無意識に入り込んでしまうことが実はよくあります。私はこういうときにいつもミスをする、なんて入ってしまうと、必ずミスをするようになります。お前は反応が遅いと入ってしまうと、いつも焦って早すぎたりして注意されますが、なぜかいつも早く入ってしまうというようなことが起きます。

 

レッテルに縛られる

 

評論家に言われた(書かれた)ことに縛られてしまうこともよく起きます。

「オレはそんなんじゃない!証明してやる!」

なんて考えているなら、すでに縛られている証拠です。画家とか小説家さんでもよく見かけますね。

そのまま受け取ってしまっても、反発しても、その評価から自分の行動を決めているという意味で影響を受けていることに変わりはありません。

これは、インターネットや雑誌など広く読まれる場での発信により、その影響が多くの人に及ぶという事実も、メンタルへの影響をややこしくします。みんなからそう思われる、というプレッシャー。この場合、良いことを書かれてもプレッシャーとして作用することもあります。

 

全ては本人次第

 

もちろん、歩いていて石を投げられたり、見ず知らずの人から攻撃されるようなことがあれば本人次第なんて言っていられませんが、元の言葉を心に留めておくかどうかは本人が決めることです。自分の五感で判断する自信がなかったり、その力がないと、周りの評価から自分の実力を探ろうとしてしまいます。こういう状態は、影響を受けやすいことを覚えておいてください。まだ自分を確立できていない学生さんだったりすると、影響を受けやすいです。でも、先生やコーチは現地点での事実を言っただけの場合も多いのです。現地点で下手である、ということを受け止めて、よく練習してその状態を脱したとき、過去の評価を捨て去って良いのです。人は成長します。変化していくのです。だから、過去に貼られたレッテルは、そのときだけのもの。今は違う。それを忘れないでくださいね。

過去の栄光にしがみつく人も、批判の影響を受けてしまう人と心の状態は同じです。衰えも、あるのです。

自分をよく見張り、評価することと努力することを怠らないことが、レッテルに影響を受けない対策になります。

 

過去の評価に影響を受けているなら

 

無意識(潜在意識)に影響を受けているのなら、専門家に頼ってください。

自分で外すのは難しいです。ウチの認定カウンセラーでも、自分で何かを見つけたときには、自分で扱えるものか私に頼らなければ外せないかよく見極めて、カウンセリングを申し込んできます。学んできていない人は自分でやらないでくださいね。生兵法は大怪我の基。自分の腹にメスを入れるようなものですので。

 

ご予約はこちらから。↓

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イップスのトリガー 3、関係ないトラウマ

先日、ジストニアだろうと言われた音楽家さんのカウンセリングをいたしました。

 

ジストニアは、音楽家イップスと言われているそうです。

普段は特に何もないけれど、楽器を持つと指が動かなくなるなどの症状があります。

ジストニアがメンタルからきているというお医者さんと、メンタルは関係ないというお医者さんに分かれるようですね。本当にその症状はジストニアなのか、という問題も絡んでくるので、私としては何とも言えませんが、先日その症状をある程度外すことができたので、改善の余地はあるという立場でおります。

 

病院でジストニアだろうと診断されるほど、演奏に支障が出る症状と、そこまでではないけれど余計な負荷がかかっている自覚があるという症状もあります。緊張しすぎて唇が震える、力が入りすぎて指が練習の時ほど動かせない、などなど。

 

原因は無関係なこともある

 

失敗してしまった、試合に負けた、という理由がはっきりしているものはわかりやすいのですが、カウンセリングをしていて思うのは、必ずしも関係があることではない、ということです。

幼少期の親戚との関係が、音を出すタイミングに影響していたこともありました。

失恋が、指が動かなくなる原因になっていたこともありました。

音楽とは関係ないことが、演奏に強く影響していた、ということも多いのです。

また次回書きますが、失敗したなどの直接的な関係はないけれど、レッスンで先生に言われたり、何かで批評されたことを読んで、ということが原因の場合もあります。

スポーツでのイップスも、もしかしたらスポーツとは関係ないことが原因になっていることもあるかもしれませんよ。

 

カウンセリングで外すことができる

 

冒頭のジストニアと診断された方も、原因は音楽と無関係でした。

60分カウンセリングをして認識を整理し、原因となった出来事の影響を受けなくなったので、その場で、では楽器を持って演奏してみてください、と演奏していただきました。

「わ、指が動く!全然違う!」

とびっくりされていました。(正直私もびっくりしました)

何年も動かずにきたので、筋肉が以前の動きを取り戻すのに、少し時間が必要だとは思いますが、指を硬ばらせる心理的なブレーキは外れました。

 

むしろカウンセリング以外では外れない

 

動きを無意識に制限してしまう心理的ブレーキは、認識を変えなければ外せません。

一生懸命練習するうちに、何かに気づいて外れる場合も、認識の変化です。

失敗など、原因との関係がわかりやすい場合は、時間が経てば気づきで外れることもあるでしょう。(それでも60分で外れるなら、それが早いでしょう)しかし、原因が無関係な場合は、カウンセリング以外で外すのは難しいと感じます。因果関係が見えなかったり、関係あることの中で原因を探しがちになるからです。

異変が起き始めた少し前に、すごくショックなことがなかったでしょうか。

ずっと抜けないクセは、音楽やスポーツだけではない、日常生活にも見られるのではないでしょうか。

カウンセリングでは、そういったところから洗い出していきます。

 

即効性

 

むしろ無関係な原因からの心理的ブレーキは、外せばすぐに動き出すので即効性が高いです。

関係があることの場合は、ブレーキを外す他に、勇気を持ってもう一度踏み出す、というハードルがあるので、少し手間がかかります。それでも、確実に効果は出ていますよ。

実際にお会いしなくても、Skypeなどのビデオ通話でもしっかりと効果を発揮していますので、秘密裏に改善できます。イップスジストニアは、隠している人が多いです。プロは特に、その後の仕事に関わりがありますから、知られるわけにはいきません。

誰にも知られずに改善できるなら、それがベストですよね。

 

カウンセリングのお申し込みは↓リンクをご覧ください。

https://rcmethod.jp/counseling/

 

 

 

イップスのトリガー 2、失敗と敗北

昨日(2019/1/13)

柔道全日本男子監督の井上康生さんの講演を聞いてきました。

直接質問する機会があり、柔道でメンタル面から制限がかかってしまうことがあるかどうかについてお聞きすることができました。貴重!

予想通り、考える時間はない競技なので、ゲシュタルト崩壊からのイップスというのはなさそうでしたが、負けからの立ち上がりというのは多くの選手が課題とするところだそうです。これは想像に難くないですね。柔道に限らないと思います。今回は、このことを取り上げます。

 

同じ結果への拒否

 

野球で投げた球が選手に当たり、怪我をさせてしまった。

演奏中に頭が真っ白になり、止まってしまった。

サッカーで、自分のミスから点を取られてしまい、そのまま負けてしまった。

スポーツで負ける、というのは、残りやすいですね。

これは勝ち目がない、試合できただけでも光栄だ。あるいは、ベストを尽くせたが、相手の方が上だった。なんていう、清々しい負けは、さらに次回に向けてがんばる原動力にできるでしょう。

しかし、負けたら批判される、背負うものがある、負けられないのだ!という試合で負けるのは、残りやすいです。

 

二度とこんなことがあってはいけない。

またこんなことがあったらどうしよう。

 

そう思ってしまうような失敗や敗北は、残りやすいのです。

これは、心が失敗や敗北を拒否しているからです。

以前失敗したり敗北したりしたのと同じあるいは似たシチュエーションになると、やらかした瞬間のことがフラッシュバックします。失敗したときのイメージが先行し、動きが一瞬遅れたり、緊張が強まったりすることで、パフォーマンスが落ちます。

ではなぜ、拒否がパフォーマンスを落とすのでしょうか。

 

拒否 = 思考停止

 

これから起きることのある結果を拒否して、そのために行動する、というのは問題ありません。しかし、起きてしまった結果を拒否すると、芋ずる式に不調を招いていきます。

例えば、事故を起こさないように安全確認をしっかりすることは、事故を起こすことへの拒否です。しかし、安全確認を怠り、自分の反応速度を超えたスピードを出して事故を起こしてしまったのに、事故が起きたという事実を拒否する、ということはよくあります。あそこで車が出て来なければ事故が起きなかったのに、なんて責任転嫁をしたりします。見苦しいですが、よくあります。そういう人は、事故を繰り返します。この辺りは承認欲求との絡みもあり、整理に技術を要する心理です。複雑にしないために、今回はそこには触れません。

拒否がパフォーマンスを落とす理由。それは、そのときで時間が止まっているからです。

 

そうならなければ良かったのに。

いやだ。その結果を受け取りたくない。

 

無意識に脳は時間を巻き戻し、なかったことにしようとします。結果を受け取らないとどうなるでしょうか。同じことが起きないように対策を練ることができないのです。だってそれはなかったことだから。そして、同じシチュエーションになると、ひたすら拒否反応を起こすのです。

 

まず、それが起きたことを認める必要があります。イヤだけど。

それが簡単ではありません。大抵の場合、認めるわけにはいかない理由が無意識に紐づいています。それについても追って記事を書いていきましょうね。簡単ではないのですよ。学ばなくてもカウンセリングを受けてもらうとサクッといけるんですけどね。あ、ついでに書いておきますが、この先更新されていくものを読んで、いくら仕組みと理由が分かっても、実際に扱えるようになる人はほとんどいませんから。体内になぜ腫瘍ができるのか、それをどのように取り除くのか、いくら勉強しても、メスを持って手術できるようにはならないでしょう。それと同じことです。プロに任せるのが早いですよ。とはいえ、原因と何をするべきなのかを知っているのと知らないのでは大違いです。どちらかというと、私はこのブログを、手術台で暴れられないように心の準備をしてもらうために書いています。

 

それました。

 

振り返ってみて、その出来事を直視できない場合は、それ以上自分でどうにかしようとせずに、プロに頼ってください。直視できない状態とは、具体的には、軽くパニックを起こしたり、フラッシュバックばかりで気持ちが落ち着かなかったり、バカバカ!と思わず自分を責めたくなる状態です。直視できる人の方が少ないです。無理するとこじらせますから気をつけて。

 

失敗/敗北を直視できたら

 

冷静に直視できたなら、起きてしまった失敗/敗北から、課題を抽出します。どうすれば勝てたか。どうすればうまくいっただろうか。具体的に考えます。では、それは気をつければすぐにできることでしょうか。それとも、練習を積む必要があることでしょうか。両方あるかもしれませんね。

するべきことがわかったら、実際に取り組みます。

練習が足りなかったせいだ!1日の練習量を増やせ!うおおおおお!

なんていうのは、失敗を直視できていませんのでプロに頼れ。

例えば、右脚に比べて左脚が弱いので、左足に体重が乗った時にバランスを崩しやすい。左脚を鍛えると同時に、バランスを崩したところから持ち直すためにどういう練習メニューを組もうかな、くらい考えて。そして考えたメニューをこなしていきます。それができれば、同じ失敗を繰り返す可能性をぐっと下げることができます。

これができる状態は、時間が進んでいます。改善に向けて行動できているからです。

 

もうひとつ、大事なことがあります。

 

失敗/敗北した自分をゆるす

 

ゆるし ≠ 許可

また失敗しても良いと自分を許可するのとは違います。それはもう過去のことで、変えることはできないので、自分を責めるのをやめるということです。

実は、自分を責めているうちは、変化できません。やってしまったことを思い出すほど、再犯率は上がります。あまり知られていない事実。指導する人にも気をつけていただきたいことです。その辺りの細かい心理については、セミナーやもうひとつのブログで学んでください。

https://ameblo.jp/kamisamanorule/

 

いずれにしろ、これまで挙げた「処置」を自分でするのはとても難しいということはお伝えしておきます。

自分で乗り越えろ的根性論よりは、メンタルはプロに任せて、自分の専門を伸ばすことにエネルギーと時間を使うことを支持します。

 

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イップスの引き金(トリガー)1、ゲシュタルト崩壊

イップスになってしまう(この表現が正しいかわかりませんが)のはなぜか。

原因、要因、遠因、いろいろありますが、とにかくトリガーになってしまうものについて少しずつ説明することを試みます。

今回は、ゲシュタルト崩壊について。

 

ゲシュタルト崩壊とは何か

 

インターネットで探すと、漢字を見てゲシュタルト崩壊を起こす例ばっかりだなぁ。

その中でも比較的ゲシュタルト崩壊についてわかりやすく説明しているものを見つけたので、貼っておきます。

https://psych.or.jp/interest/ff-34/

 

ゲシュタルトとは、ドイツ語で形態、全体、まとまり、構造というような意味です。

ゲシュタルトが崩壊するということは、全体でまとまっていたものが崩れるということです。

野球を例にしましょう。右手でボールを投げるとき、普段は投げる先、ボールを掴むミットやグローブめがけて投げます。

これは無意識に全身運動で行います。

投げようとしたときに、「あれ?踏むのは右足だっけ?左足だっけ?胴体はどれくらいひねるんだったかな?手首のスナップの効かせ具合は?」なんてことが一瞬よぎってしまうと、注意が気になった部位に向き、身体全体としてどう動いていたかがわからなくなってしまう、という経験はないでしょうか。

これが、全身運動の連動が崩れるということです。

動きのまとまりが崩れる=ゲシュタルト崩壊

 

潜在意識と顕在意識のボーダーラインで起きやすく、理解には潜在意識についての知識も必要です。

潜在意識については、私のアメブロの方のブログを読んでいただくか、

http://ameblo.jp/kamisamanorule/

心の構造を知るベーシックセミナーを受けていただくと良いと思います。

あ。来週スタートよ。

セミナーについてはリンクをご覧くださいませ。

http://ameblo.jp/kamisamanorule/entry-12197456648.html

 

知覚認知の分野なので、メンタルとして扱われがちですが、身体を動かすこととの関連も非常に大きいのですよ。

人間が発達段階においてある動きを獲得していく過程、潜在意識に組み込まれ、無意識でもその動きができるようになるそのインプットの仕方を追うことで、私のトラウマを外す技術ができましたからね。

 

話しをゲシュタルト崩壊に戻しましょう。

スポーツとゲシュタルト崩壊を結びつけた記事を見つけたので、貼っておきます。

https://hashimochi.com/archives/1972

こちらの記事は、全体性を重視したトレーニングはできないものか?で終わっていますから、解決はないのですが。

考える時間があるのが悪いみたいなことが書いてありますが、野球のピッチャーやゴルフの選手なんかは、どうしたって考える時間があるわけですから、無意識に任せることはできません。

だからイップスという言葉がゴルフで始まり、野球で目立つわけですよね。

サッカーやバスケットといった、動くボール、相手チームの選手の動きに対して素早く反応するスポーツでは、あまりゲシュタルト崩壊が起きる余地がないのは確かです。

テニスやバドミントンのサーブは、自分からスタートする場面なので、時間があります。フィギュアスケートやスキーのような、一人でプレーをするものも、考える時間ができてしまいます。この一瞬考える時間ができてしまったときに、ゲシュタルト崩壊が襲ってきます。

 

ああ、あれか。

なんて思い当たる経験があるのではないでしょうか。

しかし、ゲシュタルト崩壊が起きたからといって、必ずしもイップスになるとは限りません。練習中にゲシュタルト崩壊を起こしても、あれ?あれ?と何度か練習するうちに、ああ、そうそうこの動きだよ、と取り戻せる場合がほとんどです。

ゲシュタルト崩壊イップスに結びつくほど深刻になるのは、やはり失敗した経験と結びついてしまったり、焦りすぎてドツボにはまったとき、つまりメンタル(潜在意識)が関わってきます。

メンタルとの関わりは、追って記事を書いていきますね。今回は、まずトリガーとしてのゲシュタルト崩壊について、です。

 

ゲシュタルト崩壊を起こさないためにできること

 

簡単な、応急処置的にできることは、リンクした記事にある通り、考える余裕をなくすことです。

練習通りやればいいんだ!

あれ?練習のとき、どうやってたっけ?

なんて考えたらもう…なのですよ。

それよりはとにかく体を動かしてしまうことです。

 

普段の練習からゲシュタルト崩壊を起こさないように作り上げるなら、徹底的に認識することをお勧めします。

イチロー選手は、バットを構えるまで、いつも同じ行動をしていますね。足の運びから手の振り、バットの掴み方持ち上げ方まで全て。あれは、全てのことを、自分の頭で認識して決めた「型」として行っています。全身の「どうやってたっけ?」がない状態を作っているのだと思うのですよ。ゆっくり考えてもゲシュタルト崩壊が起きるスキがない状態をしっかりと作り上げているのです。

「お決まりの行動」が持つ重要さ。イチロー選手ってやっぱりすごい。イチロー選手ステキ。好み(←関係ない)。

イチロー選手のように、反復をただの反復でなく、身体の隅々まで認識して、バラバラな個々の動きから全身の統合まで認識してコントロールするために繰り返し身につける練習として行えば、ゲシュタルト崩壊を起こす危険はぐっと減ります。第一線で活躍するには、半端じゃない積み上げが必要ということですね。

 

前の記事「イップスを克服するより、イップスを外そう」で

https://yipshazushi.hatenablog.com/entry/2019/01/05/%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%92%E5%85%8B%E6%9C%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%88%E3%82%8A%E3%80%81%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%92%E5%A4%96%E3%81%9D%E3%81%86

楽家ゲシュタルト崩壊を起こしにくいと書きました。

楽家は、一音一音、一小節ごと、いちいち認識して練習しています。そのとき指はどのくらい上がっているのかまで。それくらいしなければ、演奏家としてはやれません。イチロー選手と同じ感じ。しかし、全身運動じゃないので、認識するべき範囲が狭いのですよね。細かいですけど。

なので、音楽家イップスは、メンタルが元になっているものが主です。

理由は違いますが、先ほど書いた、サッカーやバスケットなど動きっぱなしのスポーツも、ゲシュタルト崩壊からのイップスは比較的少ないでしょうね。あくまで比較的、ですけど。

 

イップスのトリガーとなるゲシュタルト崩壊について、ご理解いただけたでしょうか。

この理解を持つだけで、練習の組み立てや方向性がかなり変わると思います。

ぜひ取り入れてみてくださいね。

 

 

 

イップスを克服するより、イップスを外そう

イップスについて検索すると

イップス 克服

というワードで検索する人が多いように見受けられます。

イップスって、克服するものなのかな?

克服って、戦ってねじ伏せて勝つ!みたいなイメージではないでしょうか。

私はトラウマを外すカウンセリングをしています。

どんなことをしているかというと、記憶を掘り下げて、今も影響を受けてしまう過去と現在を切り離し、トラウマになってしまったショックな出来事を、ただの過去にしてしまいます。思い出しても胸が痛んだり、苦しくなったりしない、ただの過去。

すると、トラウマの症状がほぼ消えます。

性暴力、子どもの頃に虐待されたこと、仕事でのひどい失敗など、効果は幅広いです。

1回(60分)のカウンセリングで、トラウマをひとつ外すのが通常。とはいえ、ひとつのトラウマにいくつもの記憶や埋め込まれた他人の価値観が紐付けられていたりする場合は、数回かかることもあります。

(これについて説明し始めると、学びに半年かかる認定カウンセラー養成講座になってしまうので、とりあえずカウンセリングを1回受けていただくと早いと思います。)

 

イップスも、こんな感じで外せるんですよね。

 

克服に半年〜数年かかり、ひどければ克服できずに選手生命を終える、なんて言われているイップスですが。記憶と認識の整理をきちんと行えば、カウンセリング数回で効果が出ます。

現在までで3、4回カウンセリングを受けられているフルート奏者の方は、1回目のカウンセリングの後、オーケストラの全部の音が聴こえるようになったとおっしゃっていました。失敗を恐れて音を出すタイミングがおかしくなることもなくなりました。

音楽人生が全く違うものになった!と喜んでいらっしゃいます。

 

楽家とスポーツ選手は少し違う場合もあります。

 

スポーツ選手でイップスになった方のお話を伺うと、音楽家とは違う面が見えてきます。この方は、私に出会うよりずっと前にイップスになり、克服に2〜3年かかってしまいました。「万紀子さんに出会えていれば、もっと早く調子を戻せたと思います。」とおっしゃっていましたがその頃は私もメソッドを構築してなかったので残念。

この方は、大きな失敗経験があったわけではなく、ある日あるプレイ中にゲシュタルト崩壊を起こしてしまったのです。(ゲシュタルト崩壊のせいでイップスが始まったとはご本人は自覚していません)

楽家ゲシュタルト崩壊を起こしにくい練習の仕方をしています。全くないとは言い切れませんが。本番でゲシュタルト崩壊を起こしても、練習の積み上げ、基礎練習に戻って1音1音身体と相談しながら積み上げられます。それより、またゲシュタルト崩壊を起こしたらどうしようという恐怖やトラウマを扱う必要があり、こちらはカウンセリングが有効です。

スポーツ選手は、音楽家に比べると全身運動で反射的な動きが多い分、ゲシュタルト崩壊が起きやすいです。ゲシュタルト崩壊については、また詳しく記事を書きますね。

トラウマではなく、ゲシュタルト崩壊から始まるイップスは、カウンセリングと並行して筋肉の分離と統合をコントロールするトレーニングが必要です。

あー私、トレーナーもやっててホント良かった。機能解剖学と筋肉の動きに関する知覚、分離、統合について理解を深めておくことの大切さは、イップス外しにおいては無視できませんから。

 

まとめ:どっちにしろ、イップスは克服するものでなくて外すもの

 

少しずつ少しずつ、訓練したり向き合ったりして克服するもの、というイメージがあるイップス。この記事を読んで、イメージに変化が出てきたでしょうか。

認識を確実に扱う技術を持ったカウンセラーは、イップスを外すことができます。知識じゃなくて、技術、ね。そこ間違えないように。

外科手術で腫瘍を切り取るように、イップスを切り取ることができます。心のことなのでその場で変化が出ますし、すぐ動き出せますよ。

ゲシュタルト崩壊を起こしてしまった場合は、いらない焦りや恐怖心を切り取った後、正しいフォームをきちんと入れ直せば大丈夫。それについてもまた今度。こっちは少しかかるかもですけど。

 

何カ月も何年もかけなくていいんです。

早く解放されましょうよ。